第12回のインタビューのお題は、ここ2~3年における【透明ブーム】についてです。 古き良き時代のザ・万年筆といえば「黒」のボディをイメージしますが、スゲイノウ人の森さんが超絶仕上げをするPILOTのカスタムヘイテイジ92は、ボディ全体が透明タイプ。昨今の透明ブームの波に乗って、万年筆界にもクリア旋風が吹いているのでは?と感じた筆者が、森さんに透明の魅力を伺ってみました! スゲイノウ人の森って何者よ?という方はこちらの記事からどうぞ〜 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。

こんにちは〜!編集のSです。


早速ですが、今日は透明です!


いやいや、なんかここのところ、透明って流行ってませんか?


だって、透明の飲み物とか多くないですか?透明のビールとか、透明のカフェラテとか。見た目と味のギャップが広がってますよね!なぜそこまで透明にする?って思っちゃいます。


飲み物以外にも、透明のバッグなんかもよく見かけます。
透明のバッグと言えば、デパートの従業員なんかが身の潔白を示すために、手荷物を透明の手提げに入れてるイメージでしたが、まさにアレですよ。


所詮ビニール…辛口ですね(苦笑)確かに、質を重んじる男性よりは、見た目の可愛さを優先する女性かもしれないですね、透明好きって。
透明バッグだと、中身が丸見えな訳で…中身にもこだわらないといけなくなるから、そこがまた腕の見せ所というか、おしゃれし甲斐があっていいのかも。


森さんが超絶仕上げをしている「カスタムヘイテイジ92」も透明ですが、あの商品を選んだのは透明ブームに乗ってのことですか?


おお〜、そうですか!やっぱり人気なんですね。実際キレイですよね。


あ〜、インクの吸入の仕方を教わったときに勉強しました!万年筆のインク補充形式は「吸入式」「カートリッジ式」「コンバーター式(両用式)」の3つでしたね。カスタムヘリテイジ92の場合は、直接吸い上げる吸入式で余計なカートリッジがないため、透明感をダイレクトに楽しめるってことですよね?

おおー!インク補充形式をよく覚えてましたね!そう、カートリッジがあると、その分、美しいクリア感が出ないんですよね。なんというか、ボヤけた透明になるとでも言いましょうか。

確かに。カスタムヘイテイジ92はクッキリしてますね!


いいですね〜。うっとり。

【透明軸×吸入式】の組み合わせの万年筆って、そんなにないんですよ!

え、そうなんですか?なぜでしょう?

透明軸の万年筆が、女性や若者を中心としたライトな感覚で使うユーザーに支持されるのに対して、吸入式は比較的高級ラインの万年筆に採用されている補充形式なんですよ。

確かそうでした!

「ライトユーザー向けの本体」と「高級ラインの補充形式」という相反する要素を併せ持つって、なかなかないんですよ。そんな中、カスタムヘイテイジ92は、比較的安価・吸入式・透明軸という三拍子を実現しているので、もう必然的に人気があるんだと思います。

おお〜、人気の理由がよくわかりました!

SNS時代ですからね。地味で、映えもイマイチな黒軸万年筆は、若者にはマッチしません。

そもそもモンブランとか高くて買えないですからね!(苦笑)


ペリスケ!…あれ、なんか森さんの写真にしてはモヤっとしてますね。いつもキレイな写真ばかりなのに。

これはですね…新品の状態だからですよ!

あ!そうか、磨いてないとこんなにモヤモヤしてるんだ!改めて仕上げの威力を実感です。
それにこれ、よく見ると本体に何か字が書いてありますね。

もともとペリカンが万年筆の機構を説明するために透明に作ったものが、デモンストレーターなんです。文字は各パーツの名称ですね。これがそのまま商品となり、大人気を博した万年筆です。

ペリカンのスーベレーンは何度かインタビューの話題に出てきましたね。

そうそう、これです。通常のスーベレーンはこの縞々模様がトレードマークです。M800の数字は、大きさを表しています。他にもM400・M600などがあります。大きいほどお高いです。

この透明バージョンなんですね!


お、意気込みすごいですね。


確かに。


ペリスケのカスタムも楽しみです〜!


ミスったらシャレになりませんね…。


では、生産することになった際にはお声がけくださいね。


今回は【透明ブーム】について考えてみました。透明の魅力を読み解いていくと、森さんがカスタムヘイテイジ92を選んでいる理由がとても納得できました!


今週もお付き合いくださり、ありがとうございました。

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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。