第13回 ドイツで子供に万年筆を使わせるワケ【万年筆が好きすぎるエンジニア】

万年筆の売り上げは年々右肩上がりという昨今。子供向けに安価な万年筆も続々登場しています。でも、実際に万年筆を使っている子供って、あまり見かけないですよね。でも、海外ではだいぶ事情が違うようです。
今回は、その辺のお話をスゲイノウ人の森さんと、していこうと思います。
スゲイノウ人の森って何者よ?という方はこちらの記事からどうぞ〜
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。
編集さん
編集S

どうも〜!編集のSです。

「万年筆仕上げ人」の森です。
編集さん
編集S

今日は森さんが気になる話を持ってきてくれました。

そうそう、こんな記事を読みましてね。
なんでも、ドイツの小学校では万年筆を使うことが義務化されているらしいんですよ。
編集さん
編集S

ええ!鉛筆じゃないんですか?

そうなんです。万年筆を使わないといけない。万年筆で上手にかけるように練習してから、鉛筆やボールペンを使うことが許される。
編集さん
編集S

万年筆って大人になってようやく使える!みたいな勝手なイメージがあったので、まず万年筆から入るというのは意外すぎます!

ですよね。まあ、よくよくググってみると、どうやらドイツに限らず欧米の小学校ではあまり鉛筆を使わないことがわかりました。いやあ、知らなかった!
編集さん
編集S

世界の常識、日本の非常識ってヤツですかね。

でも、日本も鉛筆が普及する前は筆と墨だったわけですから、そう考えると不思議ではないですよね。
編集さん
編集S

ううむ、まあそうなりますかね。欧米の伝統的な筆記具が万年筆だったからということか…。でも、なぜ欧米では鉛筆が一般的になってからも万年筆を使わせるんでしょう?

僕は海外に住んだことないので、ドイツに住んでた友達に聞いてみたんですよ。「知らん!」って言われました。(笑)
編集さん
編集S

ああ…。日本だって、なんで鉛筆なの?って聞かれても「知らん」ってなりますね。

僕が思うに、美しい文字には「トメ」「ハネ」「ハライ」といった表情があります。文字に表情をつけるには、筆圧のコトンロールが必須になってきます。正しい筆圧で強弱をつけないと綺麗な「トメ」「ハネ」「ハライ」ができません。そして必要以上に筆圧が高いと、手が疲れて長文の筆記が苦痛になってしまいます。
鉛筆やボールペンはある程度の筆圧が必要な上、強弱をつけにくい。一方、万年筆は自重だけで筆記ができるほどに筆圧がいりませんし、弾力のあるニブのおかげで強弱もつけやすい。
つまり万年筆は「疲れずに美しい字を書く」ための最適ツールだと言っても過言ではないんです。
この観点でみれば、筆もかなり良い線いってます。嫌でも筆圧の強弱を意識しなくてはいけなくなる。
筆で筆圧マックスで書いていたらトメハネハライのない極太ゴシックみたいな字になっちゃいますからね。
編集さん
編集S

日本でも筆を使った書道の授業はありますが、万年筆を使えば、常に書道をしてるかのように、美しく字を書く練習ができるんですね!
いや〜、改めて万年筆ってすごいなあ!

ちなみにこれが子供向けの万年筆のひとつ。LAMYのabc。
LAMYの公式サイトより
編集さん
編集S

可愛いですね!いかにも子供向けというポップな雰囲気。木のボディも温かみがあります。

他にもペリカンのペリカーノJrなどが定番のようです。どちらも2,000円程度で、初めての万年筆としては十分ではないかと思います。

編集さん
編集S

素朴な疑問いいですか?インクはどうするんだろう?テストの途中とかで切れちゃったら泣きたいです。

基本的にはカートリッジを使い、筆箱の中にはいつも替えのカートリッジを忍ばせておくのが鉄則のようです。
編集さん
編集S

カートリッジ式だと、ちょっとコスパ悪いですね。

でも、インク壺持って行ったら絶対にぶちまける子供がいて、テンヤワンヤになりそうですよね?(苦笑)
編集さん
編集S

…絶対ぶちまけますね。

他にも、万年筆を使う理由として考えられるのが「間違いも尊重する」ということでしょうか。

編集さん
編集S

間違いを尊重?

そうです。日本だと、鉛筆で書いて、間違えたら消しゴムで消しますよね。どこで間違えたとか、何がいけなかったのか、そういう思考の過程も全部消しちゃうんです。(厳密にいえばうっすら残りますけど)

編集さん
編集S

間違いを許さない、間違うことは恥ずかしい!というような日本人の気質が感じられますね…。

欧米の場合、間違いに寛容だったり、問題に正解すること以外のことにも重きを置いている。そんな理由で消せない万年筆を使っているんだろうなと思います。実際は、万年筆用のインク消しがあって、それを使えるらしいんですが、何度も使うと紙が破れちゃうのでせいぜい1回かな。

編集さん
編集S

どうせ消しゴムで消せるし、と思うとラクガキとかしちゃいますね。というか、私はパラパラ漫画とか書いてた派なので、耳の痛い話です。

間違えちゃいけない!と思うと、自然と緊張感を持って書くようになりますね。
編集さん
編集S

万年筆は長く使えるので、ものを大事にする心も育ちそうですね。

子供用とはいえ、大事に使えば一生モノ。

編集さん
編集S

なんだか、日本で鉛筆使ってるのがオカシイ!と思えてきました(笑)
だって、万年筆いいことづくめですよ?

万年筆持ってないのに調子いいですね、Sさん(笑)

編集さん
編集S

いやいや、欲しいのありすぎて悩んでいるだけです。

まあそういうことにしておきましょう。
なんで日本の学校では万年筆が使われないのか問題については…今さら鉛筆文化を覆せないから、じゃないですかね。万年筆メーカーは儲かりますが、鉛筆メーカーが真っ青になっちゃいますからね。

編集さん
編集S

大人の事情は確かにありますね…。

学校では鉛筆でも、各家庭で万年筆を使えばいいんじゃないですか?
PILOTの子供用万年筆・KAKUNOなんか、すごく安価だけど、実際買ってるのって結構大人だったりします。もったいないですね。人気キャラなんかとコラボでもしたら、みんな買うかな?
編集さん
編集S

万年筆を使うと、字が綺麗になって、頭もよくなって、出世します!という検証を万年筆メーカーがやって、お母さんたちに訴えたらテキメンかなあ。

うわ、その検証どうやるんですか!?(笑)
でも実際、万年筆愛用してる人って、社会的地位が高い人が多いですよ。これは僕の個人的な体感値ですが。
編集さん
編集S

社長とか、持ってそうですよね、モンブラン。

社長になったらからモンブランを買ったのか、もともと万年筆を愛用する気質の人が社長になったかは、わかりませんけどね。
編集さん
編集S

いや〜、子供に万年筆ブーム、きて欲しいですね。

はい。そして大人になって、僕の究極仕上げ万年筆を買ってください(笑)
編集さん
編集S

告知きましたね。

いやいや、僕の万年筆はどうでもいいんです。世の中全体に万年筆を愛する人が増えて欲しいというのが本音ですよ。
インスタントな世の中だからこそ、あえて、書くという行為をもっと楽しもうじゃないか!と声を大にして言います。
編集さん
編集S

万年筆の持つ心地よい揺らぎですね。

そうです。小さな子供たちにも揺らぎを感じて欲しいです。
編集さん
編集S

なんか今回はカッコイイ感じで締められそうですね。

そりゃあ、スゲイノウ人ですからね!
編集さん
編集S

今週もお付き合いくださり、ありがとうございました。

また来週お会いしましょう!

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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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