第15回 キャップはお邪魔?【万年筆が好きすぎるエンジニア】

ボールペンやマジックにキャップがあるように、万年筆にもキャップがあります。でも、中にはノック式やツイスト式のものもありますね。今回は、キャップのない万年筆を、万年筆仕上げ人の森さんがピカピカにした時のお話です。
スゲイノウ人の森って何者よ?という方はこちらの記事からどうぞ〜
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。
編集さん
編集S

こんにちは!編集のSです。

「万年筆仕上げ人」の森です。
編集さん
編集S

今日はですね、森さんが新たな万年筆を仕上げたと聞きつけて、その時のお話を伺ってみようかと思いやってきました。

そうなんです。知り合いのご友人から依頼を受けまして、1本仕上げることになりました。
編集さん
編集S

今回は透明軸ではないんですね。

そう、今回はキャップのない万年筆、PILOTの「キャップレス マットブラック」です。これは、万年筆を初めて使うと言うお客様のご要望を伺いながら選びました。
PILOT キャップレス マットブラック
編集さん
編集S

おお、初めての万年筆なんですね!

僕に来る依頼としては珍しく「これを仕上げて!」と言うパターンではなかったので、好みを聞きつつ、提案させていただきました。「キャップレス」は、PILOTが開発・製品化した世界初のノック式万年筆で、半世紀以上続く超ロングセラー商品!何と言ってもノック式と言うところが、万年筆初心者の方にとっても扱いやすくて人気です。
編集さん
編集S

世界初だったんですね!すごいなあ、PILOT。そもそも、万年筆にノック式があるって、知りませんでした。

キャップがない万年筆は意外と少なくて、PILOT以外だと、LAMYの「ダイアログ 3」くらいでしょうか。ちなみに「ダイアログ 3」はノック式ではなく、ねじって出し入れするツイスト式になります。(そして値段がPILOTの倍以上…涙)
手前:PILOT 奥:LAMY
編集さん
編集S

キャップレスって便利そうですけど、あまり種類は多くないんですね。ボールペンなんて、ほとんどキャップレスですよね。あれ、ボールペンはそもそもフタしなくても乾かないか??

そう、ボールペンと違ってニブがボディの中に収まるだけでなく、シャッターのようにフタが閉まってインクの乾燥を防いでいます。機構が複雑になるから、各メーカーあまりやりたくないのかもしれませんね…
編集さん
編集S

なるほど…引っ込むだけでなく、きちんと密閉されているんですね!

とはいえ、キャップと比較しちゃうと乾燥しやすいし、万年筆感に乏しいのが難点ですかね。
編集さん
編集S

確かに、パッと見だとわからないかも…。

でもね、そんなことは気にならないほど便利ですよ。すぐ書ける、どこで使っても違和感なし、実用的でメモ魔にもってこい!
編集さん
編集S

今回はこのPILOTキャップレスを仕上げたということで…おそらく大まかな流れはカスタムヘリテイジ92の時とあまり変わらないと思っていいですか?

そうですね。ただ今回は、カスタムヘリテイジよりもニブが小さく、作業が難航しました。しかも完成時にはほぼ隠れてしまうという切ない展開(苦笑)

キャップレスとカスタム845
PILOTキャップレスとPILOTカスタム845
編集さん
編集S

なんと!

いや、いいんです。見えないところにも気を抜かないのがスゲイノウ人。遠慮気味にチラッと顔を出すペン先に輝きを与えます!
編集さん
編集S

なんかカッコいい!

あとですね、ペン芯のインクフローが渋いのにも苦労しました。

ペン芯には細かなミゾがあって、そのミゾをインクが通ります。その通りがイマイチだったので、ミゾを調整して通りをよくしてやりました。

編集さん
編集S

本当だ、動画の冒頭でミゾを拡げていますね!

見た目の美しさには関係ない部分ですが、この作業でインクフローがかなりアップしたはずですよ!

編集さん
編集S

スラスラかける、けれど出過ぎない、絶妙なインクフロー!

ちなみに、ニブはもともとK18にロジウムのメッキが施されていたのですが、ちょっと趣向を変えてゴールドに梨地加工で仕上げさせていただきました。

新品の状態のニブ
元々のメッキを剥離して、研磨した状態
ショットピーニングで梨地加工を施した
編集さん
編集S

ゴールドのメッキに、ショットピーニング加工でシックな仕上がりになりましたね!

軸がブラックで磨いてもあまり違いが出ないので、ニブを褒めていただけると嬉しいです。
編集さん
編集S

さすが、安定の職人技でございました!お疲れ様です。

ありがとうございます。

編集さん
編集S

そういえば、また別の依頼人から万年筆を預かっているとの噂も仕入れたのですが。

情報ツウですね!

編集さん
編集S

担当編集ですからね…というか、直接話してくださってもいいんですよ(苦笑)

いやはや、忘れてました。こんな万年筆たちですよ。下の写真ではわからないですが、しばらく使ってないうちに、インクがカピカピになっちゃったようです。

編集さん
編集S

高級感すごいですね…箱とか…

そうなんです。高級な万年筆をお預かりしたので、作業も緊張しちゃいます。
編集さん
編集S

それでは、その模様はまた日を改めて記事にできたらと思います!

また来週お会いしましょう!

どれだけ磨くの!? カスタムヘリテイジ92製作記はこちら


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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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