万年筆を持つにあたっての不安のひとつに「お手入れが大変そう」と思う方も多いのではないでしょうか? 確かに、インクの入れ替え、それにまつわる水洗いなどは万年筆ユーザーにとって、避けては通れない作業です。 使う頻度が多い人ならば心配ないのですが、使ってそのまま放置してしまうと、一体どのようになってしまうのでしょうか? 今日はスゲイノウ人の森さんに、よくある万年筆トラブルの「ドライアップ」について伺いました。 「スゲイノウ人の森って誰よ?」と言う方は、下記の記事もどうぞ! 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。

こんにちは!夏が好き!編集のSです。


今年の梅雨は結構ガッツリな感じでしたが、ようやく開けたかな?と思わせる太陽の力強さが戻ってまいりました今日この頃ですね。


確かに、ジメジメすごいですね。洗濯物が乾かなくてコインラインドリーに通ってました。


洗濯物…どうでもよくないですよ…(涙)


カメラのレンズに湿気は大敵なんですね…。そういえば、万年筆にとっては、湿度が高い状態はどうなんですか?


ええと、「ドライアップ」とはなんですか?


おお、ありがちなトラブルですね!



放置って、どのくらいの期間を指すんでしょう?


え!2年放置でも大丈夫ってすごいですね。なんか勝手なイメージで数日使ってないと乾いちゃうような気がしてたので。

メーカー、キャップの構造、入っていたインクの種類など、様々な要因と放置していた期間が絡み合ってドライアップが起きるんです。

メーカーやキャップも関係あるんですね?

例えば、プラチナ万年筆独自ののスリップシール機構です。フタの機密性をあげる機構で、インクの乾きを格段に防ぎます。
プラチナ万年筆のサイトより引用
https://www.platinum-pen.co.jp/Slipseal.html

すごい!2年たってもインクの残量が50%も!


あの、、スクリュー式のキャップって開け閉めがちょっと煩雑じゃないですか。よくあるフタみたいにパチンっと閉まるのもあるんですか?

もちろんありますよ。嵌合式(かんごうしき)と呼ばれるキャップですね。嵌合式はスクリュー式より機密性が劣ると言われています。その理由もあって、高級万年筆はスクリュー式キャップが多いんです。

うーん、絶対パチンの方が使い勝手がいいと思うんですけどね。パチンだからって安っぽいとは思いませんが。

確かにそうなんですけどね(苦笑)伝統のスタイルへのこだわりもあるかもしれません。
嵌合式でスクリュー式を上回る機密性の高いキャップを実現できたらいいんでしょうけどね。

あ、そう思うと、先週のトピックだったキャップレスってかなり使い勝手いいですよね。ボールペンのようにカチッとノックするだけだし、キャップの行方も気にしなくていい。


じっくりと書くとき、急いで書くとき、いろいろシーンに合わせて使い分けるのが一番です。

使い分けかぁ、贅沢ですね〜。

ドライアップに関してはインクの種類の話、ニブの種類の話など、まだまだありますよ〜。あと、ガチガチに固着した万年筆復活のこぼれ話なども。

先週おっしゃってましたね。お知り合いからガチガチなのを預かったって(苦笑)

もう2年どころじゃなくて、わからないくらい放置してたらしいですから、やりがいありましたよ。


うーん、もったいないことになってましたね。森さんと出会えてなかったら復活できなかったかもですね。

オーバーホールもメーカーに依頼すると費用も時間も結構かかりますからね。ちょっと安めの万年筆なら、買ったほうが安かったりして(涙)ドライアップさせないようにたくさん使ってあげることが一番です!

万年筆に限らず、何事も、使ってないとダメになっちゃいますからね。


それでは、この続きはまた来週聞かせてください!

どれだけ磨くの!? カスタムヘリテイジ92製作記はこちら
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。