第16回 万年筆を放置すると大変なことに!?【万年筆が好きすぎるSE】

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万年筆を持つにあたっての不安のひとつに「お手入れが大変そう」と思う方も多いのではないでしょうか?
確かに、インクの入れ替え、それにまつわる水洗いなどは万年筆ユーザーにとって、避けては通れない作業です。
使う頻度が多い人ならば心配ないのですが、使ってそのまま放置してしまうと、一体どのようになってしまうのでしょうか?
今日はスゲイノウ人の森さんに、よくある万年筆トラブルの「ドライアップ」について伺いました。
「スゲイノウ人の森って誰よ?」と言う方は、下記の記事もどうぞ!
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。
編集さん
編集S

こんにちは!夏が好き!編集のSです。

夏は行動不能!「万年筆仕上げ人」の森です。
編集さん
編集S

今年の梅雨は結構ガッツリな感じでしたが、ようやく開けたかな?と思わせる太陽の力強さが戻ってまいりました今日この頃ですね。

いやいやいやいや、もう梅雨とか本当に勘弁して欲しいです。夏も無理ですけど、梅雨の湿度もメチャクチャ厄介です。
編集さん
編集S

確かに、ジメジメすごいですね。洗濯物が乾かなくてコインラインドリーに通ってました。

いやいやいやいや、もう洗濯物とかどうでもいいレベルです。そんなことより、カメラのレンズがカビの危機にさらされているので、ヒヤヒヤしながら湿度計とにらめっこです。
編集さん
編集S

洗濯物…どうでもよくないですよ…(涙)

あぁ、はい、洗濯物も大事ですけどね…僕のカメラのレンズが、ちゃんとした防湿庫に入ってないので(財政難で買えない)激しく心配です。カビが生えた時の損失を計算すると怖くなるので考えないようにしてます。
編集さん
編集S

カメラのレンズに湿気は大敵なんですね…。そういえば、万年筆にとっては、湿度が高い状態はどうなんですか?

うーん、僕が知る限り湿度が高いのは特に問題ないですね。むしろドライアップしないのでありがたいのでは?
編集さん
編集S

ええと、「ドライアップ」とはなんですか?

ドライアップっていうのは、ズバリ、万年筆のインクが乾燥して書けなくなってしまった状態のことです。
編集さん
編集S

おお、ありがちなトラブルですね!

そうです。コンスタントに万年筆を使う人にとっては無縁のトラブルですが、あまり使用頻度が高くない人は要注意ですね。インクが残っている状態でずっと放置していると、とてもマズイことになってきます。
放置された万年筆
ドライアップしただけでは見た目に変化はないが、こちらはさらにインクが固着した状態
編集さん
編集S

放置って、どのくらいの期間を指すんでしょう?

そこはあまり具体的に言えないんですよね。本当に様々だと思います。ひと月でドライアップしてしまうこともあれば、2年放置しても大丈夫なパターンもあるんです。
編集さん
編集S

え!2年放置でも大丈夫ってすごいですね。なんか勝手なイメージで数日使ってないと乾いちゃうような気がしてたので。

メーカー、キャップの構造、入っていたインクの種類など、様々な要因と放置していた期間が絡み合ってドライアップが起きるんです。

編集さん
編集S

メーカーやキャップも関係あるんですね?

例えば、プラチナ万年筆独自ののスリップシール機構です。フタの機密性をあげる機構で、インクの乾きを格段に防ぎます。

グラフ

プラチナ万年筆のサイトより引用
https://www.platinum-pen.co.jp/Slipseal.html

編集さん
編集S

すごい!2年たってもインクの残量が50%も!

グラフに表記されている #3776《センチュリー》はプラチナ万年筆の代表的な万年筆のひとつです。もともと乾きにくいスクリュー式(ネジ式)キャップをさらに改良して、これほどまで乾かないようにするとは…日本の企業らしい企業努力ですね!
編集さん
編集S

あの、、スクリュー式のキャップって開け閉めがちょっと煩雑じゃないですか。よくあるフタみたいにパチンっと閉まるのもあるんですか?

もちろんありますよ。嵌合式(かんごうしき)と呼ばれるキャップですね。嵌合式はスクリュー式より機密性が劣ると言われています。その理由もあって、高級万年筆はスクリュー式キャップが多いんです。

編集さん
編集S

うーん、絶対パチンの方が使い勝手がいいと思うんですけどね。パチンだからって安っぽいとは思いませんが。

確かにそうなんですけどね(苦笑)伝統のスタイルへのこだわりもあるかもしれません。
嵌合式でスクリュー式を上回る機密性の高いキャップを実現できたらいいんでしょうけどね。

編集さん
編集S

あ、そう思うと、先週のトピックだったキャップレスってかなり使い勝手いいですよね。ボールペンのようにカチッとノックするだけだし、キャップの行方も気にしなくていい。

キャップレスとダイアログ3
奥:LAMYのダイアログ3 手前:PILOTのキャップレス
確かに。PILOTのキャップレスはカチッとノックするだけで、LAMYのダイアログ3ならば、クルッとひとひねりです。仕事でサッとメモを取る時などには最適かもしれません。あ、でも嵌合式よりもさらに乾きやすいので頻繁に使うことが前提ですよ!
じっくりと書くとき、急いで書くとき、いろいろシーンに合わせて使い分けるのが一番です。
編集さん
編集S

使い分けかぁ、贅沢ですね〜。

ドライアップに関してはインクの種類の話、ニブの種類の話など、まだまだありますよ〜。あと、ガチガチに固着した万年筆復活のこぼれ話なども。

編集さん
編集S

先週おっしゃってましたね。お知り合いからガチガチなのを預かったって(苦笑)

もう2年どころじゃなくて、わからないくらい放置してたらしいですから、やりがいありましたよ。

マイカルタ 洗浄前
このガチガチに固まっちゃった万年筆を復活させます!
編集さん
編集S

うーん、もったいないことになってましたね。森さんと出会えてなかったら復活できなかったかもですね。

オーバーホールもメーカーに依頼すると費用も時間も結構かかりますからね。ちょっと安めの万年筆なら、買ったほうが安かったりして(涙)ドライアップさせないようにたくさん使ってあげることが一番です!

編集さん
編集S

万年筆に限らず、何事も、使ってないとダメになっちゃいますからね。

その通りです!
編集さん
編集S

それでは、この続きはまた来週聞かせてください!

ありがとうございました。来週もよろしくお願いします。

どれだけ磨くの!? カスタムヘリテイジ92製作記はこちら


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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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