スゲイノウ人森さんとの対談・第27回です。 以前、町工場男子との交流を記事にさせていただきました。その時に話題にあがったのが「おおたオープンファクトリー」というイベント。 今回は森さんがそのイベントを通して、町工場を巡ってきた時の模様をうかがいます。 3,000以上あると言われる町工場に宿る、ものづくりの魂が垣間見える1日ですよ! スゲイノウ人の森って誰それ!?という方はこちらからご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。

こんにちは〜!編集のSです。


最近はめっきり寒くなってきましたね〜。


私は逆に活動が鈍りますが…。そうだ、森さんは以前お話されていた「おおたオープンファクトリー」というイベントに行ってきたそうですね。



もはや、森さんのためのイベントと言っても過言ではないですね。


そうなんですね!キャッチコピーの「職人が一番しゃべる日!」っていうのも面白いな〜。

ホント、普段は何作ってる工場なのか、近所の人もわからないですからね。今回は21もの工場がオープンされ、どんなものを作っているのか、丁寧に解説してくれるんです。

1日だけなんですよね?そんなにあったら、いくら森さんでも回りきれないですね。

なかなか見る工場を絞るのが大変でしたが、場所的な回りやすさや、興味など考慮していくつか巡ってまいりました。まずはこちら。小野製作所さん。


ノボリが目印ですね!

そうなんです。見学可能な工場にはこのように旗が立てられているので、迷わないです。
そして、こちらの小野製作所さんには、職人歴60年のお父さんが!
0.001mmの世界の職人技を見せてくれます。主な仕事内容は、円筒研磨機による精密部品加工や、測定治具部品加工だそうですよ。


0.001mmって…。私すでに老眼始まってて、そんな細かい作業不可能です!

Sさん、老眼…。

いや、そこ追求しなくていいです。次は…なんでしょう?これ。

はい、次は新妻精機株式会社さんです。新妻精機さんはレーシングカーのエンジンやシャシの部品を作ってらっしゃいます。最新のマシニングセンタを使った切削加工が見学できたんですが、やっぱり、なんというか、美しい!

あ、あのマシニングセンタってなんでしたっけ?

マシニングセンタは自動工具交換機能をもつ、いわゆるオールマイティーなマシンです。
目的に合わせてフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができるスグレモノなんですよ。

複雑な形を作るには、こういうハイスペックなマシンが必要なんですね!

お次はこちら。

えー、なんですか?これ?不思議なカンジ。まるでクラゲのようですね〜。

こちらは安久工機さんにあったウォータベール(球状噴水)です。まるで噴水のような水の膜の中に、煙のように見えるミストが入っている状態です。これはミニチュアサイズで、本当は人が中に入れるくらいの大きさにして、癒しの空間にするのが目的みたいです。なんか面白いですよね。

そういえば「安久工機」さんて聞き覚えがあると思ったら、町工場男子飲み会でお知り合いになった方ですか?

そうそう、安久工機の田中さんです。
安久工機さんでは、以前もご紹介した点字を描く「みつろうペン」など、ちょっと面白そうな開発を行ってらっしゃいます。試作や特注の製品など、小ロットの仕事に携わるのは小さな町工場ならではですね!

森さん、こちらも気になります!すごくピッタリハマってるので、精度の高さがうかがえます。

このキャラはシナノ産業株式会社さんのオリジナル「シナちゃん」。シナノ産業さんはプラスチックを削ったり、加工している工場ですね。

なんとなく金属加工の工場が多いイメージですが、こうしたプラスチックも忘れちゃいけませんね。

まだ他にも工場を回ったのですが、実は今回僕には工場めぐり以外にも大事なミッションがありまして…。
それは自分で設計した治具を形にするべく、ある工場に見積もりをお願いするということです。

ジグ?

そう、治具です。僕が万年筆を分解して磨いたりする過程で「こういう道具があったら作業がラクなのにな〜」というものが結構あるんですよ。それで、今回はペン軸の内側を磨く時に使う細長い棒を設計したんです。

え〜、細長い棒なら既製品でいくらでもありそうですけど?

違うんですよ。手作業で磨くのが大変なので、リューターに装着して使える形状じゃないとダメなんです。
そんな訳で、出来上がりのイメージはコレです。



ええ〜、なんか格好いいですね!赤のパーツがワンポイントとしておしゃれです。

いいでしょう?でもね、予想はしてたけれどお高いんです。1本作っても、5本作っても、ウン万円。だったら5本作っちゃえ〜と思ってますけどね。

超こだわり治具という需要もあるかもですよ。

まあ、もしかしたらあるかもですね。ただ、この先、全てオリジナルの万年筆を作りたいと考えているので、ペン芯を金属で作った場合のお値段もザックリ聞いてみたのですが、二十数万円ということで…。

ドヒャーーー!

モンブランもびっくりの高級万年筆、爆誕!

めちゃくちゃニッチで尖ってて、森さんらしい商品ですね。

時間はかかると思いますが、これはライフワークとして、じっくり取り組んでいきたいと思います。

ひとまずは、治具が完成したらぜひ見せてください。

はい、喜んで!

さてさて、今日はおおたオープンファクトリーのお話から、森さんが自ら設計した治具の話まで、スゲイノウ人らしいお話が聞けました。夢は広がりますが、今回はこの辺でお開きにしたいと思います!

今週もありがとうございました!

また来週お会いしましょう!

さようなら〜。
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。