第35回 【悲報】モンブラン マイスターシュテュック149のペン芯が割れる

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高級万年筆の代名詞とも言える「モンブラン マイスターシュテュック149」。
年末に念願のマイスターシュテュック149を手に入れたスゲイノウ人の森さんに、災難が降りかかりました。購入してひと月も経たないうちに突如訪れた別れ。悲しみに打ちひしがれる森さんとの対談で、いつしか「エボナイト」という素材の話題に…。

スゲイノウ人の森って誰それ!?という方はこちらからご覧ください↓
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。
編集さん
編集S

こんにちは〜。編集のSです。

「万年筆仕掛け人」の森です。
編集さん
編集S

森さん、森さん、戦艦風の万年筆の評判もよく、これからいろんなバージョン作ったら楽しそう!って勝手に考えていたんです〜。

・・・、そ、そうですね。
編集さん
編集S

あれ、なんか森さん元気ないですか?

元気ないどころではなく、もう泣きたい気分です(涙)
編集さん
編集S

え、え、なにごとですか?

実は、年末にホクホクでゲットした、モンブランのマイスターシュテュック149をダメにしてしまったんです。

編集さん
編集S

マイスターシュテュックって、あのマイスターシュテュックですか?!

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ありし日のマイスターシュテュック

分解してニブにメッキを施そうと思って作業をしていたら、ツルッと真鍮の棒を落として、バキッと直撃させてしまいました。はあ、時間よ戻ってくれ。

編集さん
編集S

ペン芯の一部が割れてしまったんですね?その部分だけ売ってないんですか?

どのメーカーもパーツのバラ売りって、基本的にはしていません。そのへん、モンブランは徹底していて、改造を一切許さない風潮がありますので、メーカーでの修理も難しいかと。

編集さん
編集S

ブランディングとしては、わかりますが、ペン芯の一部分が壊れただけで全部の機能が使えなくなるのは悲しいですね。高級車だって、ドアやミラーだけ取り替えたりできるのに。

高級品だからこそ、長く使うために交換パーツなどを用意してくれてもいいのになあと思います。
編集さん
編集S

確かにそうですが、ニブをメッキしなおそうと思う消費者もなかなかいないですよね。モンブラン的にも想定外ではないでしょうか。

そうでしょうね。そもそも簡単に分解できるものではないですから。
僕もかなり苦労して分解しましたよ。今回は気合い入れて治具まで作っちゃいました。

編集さん
編集S

これはまだ事件が起こる前のtwitterの投稿ですね。無理して分解しようとすると、フィンを曲げる恐れがあるって言及しているあたりに、なにかの予兆を感じます。

そうなんですよーーーー!すごい気をつけていたのに!
レーザーでモンブランのロゴまで入れたのに!

編集さん
編集S

治具としてだけでなく、おしゃれな万年筆立てとしても使えますよ!元気だしてください!

これを見るたびに、マイスターシュテュック149のことを思い出しそうです。

編集さん
編集S

う〜ん、かなり心の傷が深い。

こんな悩みを抱えている人がきっと他にもいるはず!このペン芯を自作できたらどんなにいいか!

編集さん
編集S

モンブランなら使っている人もたくさんいるし、修理したいと思う人もきっといらっしゃいますよ。

僕としては、モンブランの互換品を作ることが目的ではありませんが、ひとつの実験材料としていいかなと思います。ちょうどシンプルなペン芯の形状なので、ちょうど良さそうな…。

編集さん
編集S

自作すると言っても、いったいどうやって作るんですか?いままでたくさんお話きいていますが、まだイマイチわかってないんです。

例えば、マイスターシュテュックのペン芯を再現するなら、まずは設計です。この一部破損してしまったペン芯を参考にしながら自分でCADソフトを使って図面を起こします。

編集さん
編集S

いきなりハードル高い!

あとは、素材となるエボナイトを入手して、設計図とともに町工場に持ち込んで削り出してもらう流れですかね。

編集さん
編集S

「エボナイト」ってまたもや初耳ワードなんですが。

世界初の人工的な樹脂が「エボナイト」なんです。エボナイトは硬質ゴムで、黒い見た目が「黒檀(ebony)」に似ていることに由来してそう呼ばれています。

編集さん
編集S

ペン芯はゴムでできていたんですね。なんだか意外です。

ゴムといっても硬質なので、弾力を感じることはないですけどね。(だから割れたし…)

編集さん
編集S

では、ペン芯に「エボナイト」が使われる理由ってなんですか?

まずは加工のしやすさです。硬いとはいえ、ゴムですからね。それでいて丈夫です。かつてはボウリングの玉に使われていました。あとはインクとの相性かな。適度な親水性があり、ペン芯の櫛(くし)の部分に十分浸透して、インクを保持します。丈夫さと親水性の面で、クラリネットなどの楽器のマウスピースにも使われていたようです。納得ですね!

編集さん
編集S

へ〜、そうなんですね!じゃあ、万年筆のペン芯はみんなエボナイトなんですか?

いえ、現代の万年筆のペン芯はほとんどプラスチックですね。高い万年筆であっても、プラスチック製が多いかな。

編集さん
編集S

じゃあエボナイトがペン芯に使われている万年筆は”レア”ってことですか?

まあ、レアでしょうね。だからといって、プラスチックよりもエボナイトが優れているとも言い切れません。古いモンブランの万年筆にエボナイトが使われているのも、当時エボナイトがもっとも最適なペン芯用素材だったからではないでしょうか。そして1970年頃から徐々に、コストが安いプラスチック製が一般的になったのでしょう。

編集さん
編集S

あれ、森さんのマイスターシュテュックは古いものなんですか?

ニブの形状から判断して、1970年後半〜80年代のマイスターシュテュック149です。1990年頃からはプラスチック製のペン芯になり、最近ではまたエボナイトが使われているとか、いないとか。そもそも、ニブやボディと違って素材が何であるかわざわざ明記してないんですよね。気にするのは一部の愛好家かな(笑)

編集さん
編集S

う〜ん、森さんはマニアですが、私は全く気にしないですね…。
ところで、エボナイトは簡単に入手できるものなんですか?

気軽に買えるシロモノではないですね。それどころか、日本で製造しているメーカーはごくわずか。そこから直接購入するしかなさそうです。

編集さん
編集S

設計図起こしから、素材の入手まで、一貫してハードル高かったですね(汗)

不可能ではないので、やってみたら面白そうです!

編集さん
編集S

ぜひチャレンジしてみてください!エボナイト、なんだか気になる素材です。

いつも簡単そうにいいますよね、Sさん。しばらくこの事件が辛すぎて落ち込んでいそうです。今週はこのへんで勘弁してください。

編集さん
編集S

Good luck.

今週も最後までお付き合いありがとうございました!もしよかったらSNSで「いいね」や「シェア」お願いします!

編集さん
編集S

同時に、森さんのような、ちょっと変わった趣味の方も募集しています。自薦他薦は問いません。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

では、また来週〜!

編集さん
編集S

さようなら〜!


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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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