第38回 100年万年筆!プロジェクト「MONDO」についていろいろ聞いてみた

プロジェクト「MONDO」。
それはスゲイノウ人の森さんが考える、万年筆の理想の姿。
個人レベルで1から万年筆を作った人物はほとんどいない。
でも誰もやらないことは「ダメ」なことではない。
誰もやらないからこそ、意味があるんだ。

スゲイノウ人の森って誰それ!?という方はこちらからご覧ください↓
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。
編集さん
編集S

こんにちは〜。編集のSです。

「万年筆仕掛け人」の森です。
編集さん
編集S

節分もすぎて、季節はもう春!
でもガチガチに寒い日が続きますね〜。風邪などひいてないですか?

おかげさまで大丈夫です。ただ、ちょっと花粉が飛びはじめた気がして殺気立っております。
編集さん
編集S

そうか、森さんは花粉症でしたね。私、全然花粉を感じないんですけど、本当に飛んでますか?

(Sさんはいろんなことにドンカンすぎじゃないですか?)
編集さん
編集S

ん?なんか言いました?

いえいえ…。
編集さん
編集S

そういえば、森さんのTwitterでは、最近技術的な話題で盛り上がっていますね!まあ、私にとっては「なんのこっちゃ?」となるレベルですが…。

恥ずかしくて大々的に言ってなかったんですが、ようやく、付喪神が宿るような100年越えを視野にいれた万年筆を作りたい!という計画「MONDO」を発表したら、フォロワーの方々がアドバイスをくれるようになって、すごく嬉しいです。

編集さん
編集S

「MONDO」ってかっこいいですね!由来というか、なぜこの名前にしたんですか?

「MONDO」はイタリア語で「世界」という意味があります。ほら、モンドセレクションって聞いたことないですか?
その語源をさらに辿っていくと、古代ラテン語で「生命の宿るところ」という意味を持ちます。

編集さん
編集S

なんだか神秘的ですね〜。

このプロジェクトを通して「合理的」な社会に、人間らしさとも言える「非合理的」な官能性を届けたいと考えています。

編集さん
編集S

森さんはそんなところまで考えていたんですね!!
確かに、これから世の中の様々なものが合理化されていく中で、人間に残された価値って、機械にはない非合理性だったり、不確実性になっていきますから、あえてそちらへ向かっていくのが正解かもしれませんね。

だって、普通にメモとりたいだけならボールペンの方が便利でしょ?安いし、軽いし、メンテナンス不要。さらに言えば、これからはボールペンすらいらない。全部デジタルで済んじゃうから。
でもそうなると、逆に滲んだり、かすれたりが愛おしくなる。面倒なメンテナンスすら癒しの時間になってきます。不思議でしょ?

編集さん
編集S

ほんとにその通りですね。ネットでなんでも動画が観られる時代ですが、お芝居を観に行くし、暖かく清潔な家があってもわざわざキャンプに行って不自由を楽しんだりしますものね。

そうそう、人間安全が確保されていると、わざわざ面倒くさいことしたくなる生き物なんです(笑)

編集さん
編集S

さて、そんな「MONDO」プロジェクトを進めるにあたって、森さんがこだわっているポイントをちょっと深堀りしていきたいと思います。
まず、メーカーのOEM品ではなく設計からすべて行うとありますね。これはいつも森さんがおっしゃってるので、わかります。ニブだけは大手メーカーの物を使うなどではなく、すべてオリジナルであること。

そうです。ニブをメーカーに頼れたとしてもその時点で選択肢が限定されます。それに、ニブやペン芯は万年筆の心臓部です。大事な所作らずにどうするの?むしろそこでしょ!
そうは言ってもそこが難所であることも確かです。もしかすると無理かもしれませんが、そこが作れないならもう作らなくていい気がしています。

編集さん
編集S

チューブラーって?

多くのニブが板状の金属をプレスして成型します。しかしチューブラーニブは、円筒形の筒をベースとします。それを斜めにスパッと割った状態をイメージしてみてください。ほら、かぐや姫の竹のように。

編集さん
編集S

あ〜、なんとなくわかりました!なんか筒になってた方が強度がありそう。

まあそれもあるし、チューブ状の方がペン芯にうまく噛み合いそうかな?という予想です。そしてプレスするよりは小ロットに向いてるでしょう。

編集さん
編集S

チューブラーニブ、結構有力ですね。
ええと、次に「加速劣化試験にて根拠の確保」は、どういうことですか?
なんとなく思い浮かべたのが、椅子の強度を測るのに、おしりに見立てた器具で何万回も押すといった実験のことでしょうか?

まあ、そんなところですね。僕も詳しいわけではないですけど。100年耐えうることの根拠づけをするには、そういったテスをするしかないと考えています。全然ツテとかないですけどね!

編集さん
編集S

そういうテストを個人でお願いする人、めったにいないでしょうからね(苦笑)

うん、聞いたことない!(笑)個人として依頼しても企業は受けてくれないと思っていますので、実は法人化も考えています。
いまのところ全然収益ないですけどね(苦笑)

編集さん
編集S

じゃあ最後に、オーバーホール可能に関して。
そもそも万年筆って高級腕時計のように数年に一度、オーバーホールに出すものなんですか?

うーん、オーバーホールしないことはないですが、そこまで本格的なものではなく「ペンクリニック」と呼ばれる調整をお願いすることはよくあると思います。

編集さん
編集S

文房具屋さんのイベントで「ペンクリニック」やります!って告知をみたことあります。

でもペンクリニックはペン先を調整することによって、インクフローを変えたり、文字の太さや書き味などを好みに合わせてくれる「町医者」のようなものです。所要時間も1本あたり15分程度ではないでしょうか。

編集さん
編集S

なるほど、結構簡易的なものなんですね。

そもそも廉価帯の万年筆は接着剤で固定されていたり一体成型で、分解不可なことも多々あります。分解できる万年筆でも、メーカーはユーザーが分解することを想定・推奨していなかったりします。

編集さん
編集S

分解してもいいけど責任とらないよ〜ってことですね。

100年万年筆は、いい状態で長く使うためにオーバーホールは必須と考え、しかも繰り返しの分解にも耐えうるものでなくてはなりません。
ただ、ユーザーが自ら分解するかどうかは悩みますね。間違えて不具合が出たら困りますが、自分で分解する作業を愉しんで欲しい気持ちもあるからです。

編集さん
編集S

森さんのようなこだわりさんだったら、絶対自分で分解したいですものね!

そうそう、だから悩みます。

編集さん
編集S

では最後に、パッキンなどの消耗品を除き、樹脂ではなく金属を使用するという点です。やっぱり樹脂では100年耐えられないという予想なんですね。

樹脂で100年もつか、もたないかは議論の余地がありますね。毎日使っての100年と、大切にしまっておいての100年だと、全然条件が違うじゃないですか。だから、樹脂での破損リスクが少しでもあるなら、その不安要素を排除しておくために樹脂を封印します。ただ、要件を満たす金属は、かなり特殊なものになりそうです。これも検討中……。

編集さん
編集S

もうすべてが特殊だらけですね。

難しい挑戦と言われますが、高い山があったら登りたくなる性分でして。

編集さん
編集S

森さんは、そういう人だと思っていますよ。

こうやって声をあげることによって「こういうのはどう?」「それは難しいのでは?」と意見をいただく機会が増え、本当に感謝しております。もの作りって本当にひとりで作るのには限界がありますね。

編集さん
編集S

Twitterにはアンケート機能なんかもありますので、フォロワーの方々に生の意見を聞くのもいいですね。

そうそう、もう考えてても進まないですから。やっていくのみです。

編集さん
編集S

悩むより行動ですね。そして、チャレンジに失敗はないですから!すべては成功するための糧となります。

おお〜、たまにいいことを言いますね、Sさん。
それでは今週はこのへんで。最後までお付き合いありがとうございます!もしよかったらSNSで「いいね」や「シェア」お願いします!

編集さん
編集S

ちょっとヘンな人も常時募集しています。お気軽にメッセージください。

では、また来週!

編集さん
編集S

さようなら〜!


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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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