ひと昔前、年号がまだ昭和だった頃、入学祝いの定番のひとつに「万年筆」があった。 なぜ万年筆だったのか。それは、学生にとって「書く」ことは必須であり、かつ、万年筆が筆記具としてまだまだ現役だったからでしょう。 ボールペンやその他の筆記具が登場し、多様化した現在、入学祝いに選ばれることも減ってきましたが、あえてこだわりの万年筆を贈るのはいかがでしょうか? 今回はスゲイノウ人の森さんに、個性豊かなプレゼントにおすすめ万年筆を選んでいただきました。 スゲイノウ人って何それ!?という方はこちらからご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。

こんにちは〜。編集のSです。


まだまだ肌寒い日が続きますが、なんと1953年の観測開始以来、最も早く桜が開花しまして、本格的な春がそこまで来てます!


開花してから寒さがぶり返す日もあったりで、桜は「ちょっと間違えたかな?」と思ってたかもしれません。


さて、連日不安なニュースが続いていますが、今日はちょっと気分を変えて「入学祝いに万年筆を贈るならどれ〜!?」企画をしたいと思います!


謎の盛り上げ、ありがとうございます。
今回は、よくある「プレゼントに喜ばれる万年筆○選〜」的な平凡なセレクションはしません。なんていっても、万年筆に変態的なこだわりをお持ちのスゲイノウ人森さんが選者ですから!


さすがです!
高校・大学入学する人向けで、予算はできれば5万円以内でチョイスしていただきました。


実用性よりも、感性を刺激することに重点を置いている!大事なので2回言いました。
それでは早速いってみましょう。


え?え?ピニンファ?


カーボングラファイトは、素材ですよね?

素材違いバージョンもありますが、カーボングラファイトのが一番カッコよかったので、これにしました。

あの、、予算は5万円くらいまででお願いしたいのですが。

これは、ニジュウマンエン…くらいです。

わお。

その人の人生に大きな変化を与えるかもしれないと思うと、安く思える1本ですよ!いや〜、カッコイイ。

いきなりスゲイノウ人節が炸裂しておりますが、次いってみましょう!


王道モンブランきましたね。

予算外ですがiPhoneよりも安いしiPhoneよりもきっと

実売で6万円弱ですか。まあ、そのくらいの予算オーバーならアリかなぁ。ちょっとiPhoneにケンカ売り気味なのが気になりますが(苦笑)

iPhoneが嫌いなワケじゃないですよ!でもスマホは5年もすれば古くなって、まともに使えなくなりますが、万年筆は使えば使うほどに愛着が深まる。スルメのように楽しめます。

万年筆はスルメ。噛めば噛むほどに…ですね。

どんどんいきますね。三本目はプロフィット蒔絵万年筆[紅葉] 44,000円。予算内!

やっと予算内におさめてくれましたね。


かなり渋いセレクションですね〜!じわじわと好きになるかも。あと、外国人ウケしそう。

入学や卒業祝いにこれをチョイスする事は普通ないと思いますが、万年筆好きなら、蒔絵を一本は持ってみたいです。

ではでは、4本目お願いします。


LAMYは若い人が好きそう。


キャップレスっていいですよね。ボールペンのような感覚で使えるから、万年筆に慣れていない人には、なおさら向いていると思います。

はい。キャップレスは他社からも出ていますが、僕的にはこれが一番好き。

お次は、5本目、お願いします。


TWSBIは以前の記事にもでてきましたね。台湾発の透明軸が美しい万年筆。

物は自分でお手入れする事で調子が読み取れます。調子を読み取る事で自分の道具へと変わっていきます。この道具の基本を手先の感覚から学べる。つまり感性になんらかの影響を与える可能性を秘めている点にいおいてオススメできる一本です。

そうか、TWSBIの万年筆には分解用の工具が付属しているんですよね。

お手入れの喜びを感じ取ってほしいです。

なんでも安く手に入り、使い捨てが当たり前のようになってしまった現代だからこそ、あえて分解して手入れする。確かに、若い人にこそやってほしい作業ですねぇ。

さあ、次いきますよ。プラチナ万年筆 出雲 PIZ-55000 溜塗り ¥55,000。実売だとギリギリ予算内かな。

ギリギリセーフにします!


漆なんですね。さきほどのセーラー蒔絵万年筆と似たベクトルですが、印象は全然違うんですね。なんか、パッと見は地味?

そこがワビサビでいいんですよ。Sさんもまだまだお子様ですね。

若いと言ってください。

はい、ではついに最後の1本。カスタムヘリテイジ912 フォルカンニブ 20,000円。

森さんが磨きまくってるのは透明軸のカスタムヘイテイジ92でしたよね?


ボディの色意外にも、結構違うんですね。それにしても、なんというか、すごく「普通」じゃないですか?

いままであげた中で最も優等生的な万年筆でしょ?
この万年筆のポイントはペン先ラインナップの多さです。中でもきっと「フォルカンニブ」は最も感性に刺激を与える可能性があります。お祝い用には通常オススメされないと思いますが将来に影響を与えそうな意味ではありかなと!

フォルカンニブってよくわかってないのですが、、、

フォルカンは、非常にソフトタッチで、万年筆の醍醐味である線の強弱がつけやすいのが特徴です。弱い筆圧でもスラスラ書けるので、以前かなり筆圧の強かった僕は、このフォルカンニブに出会って「字を書くのに必要な筆圧はこれくらいでいいよ!」そんなメッセージをペンから受け取ったんです。

なるほど、同じ万年筆でも取り付けるニブによって、まったく別物になるんですね。

そう!それで、フォルカンニブがつけられる万年筆は限られていて、カスタムヘイテイジ912は、その中の1本なのです。

これはもう、万年筆に詳しい人にしかわからない、玄人チョイスでしたね。

だって、そういうの選べってSさんが言うから〜。

もう期待通りの変態的なセレクションになって、私は大変満足しております。前半は結構予算オーバー気味だったので、どうなることかと思いましたが、TWSBIやLAMYなんかは、若い人にも人気で、特に喜ばれそうだと感じました。

みなさんも、入学祝いに限らず、万年筆の贈り物してみてはいかがでしょうか?
はじめは「え?」って顔されそうですが、あとからジワジワと良さが伝わるのでは?と思っています。

うんうん、万年筆ってとっつきにくいイメージですが、プレゼントしてもらったら、そこから興味がわくかもしれませんね。

それでは今週はこのへんで。もしよかったらSNSで「いいね」や「シェア」お願いします!

森さんのような、ちょっと(すごく)ヘンな人も常時募集しています。お気軽にメッセージください。

また来週お会いしましょう!

さようなら〜!
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。