熱と飛び散る火花で危険なイメージを持つ溶接作業。そんな一般的な想像を一掃するパルスアーク溶接機が、ついにスゲイノウ人の森さんの家にやってきた! スゲイノウ人森って誰?という方や、はじめてお越しの方はこちらもご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。 万年筆を1から作り上げようというMONDO計画はこちらです。

こんにちは〜。編集のSです。


新しい生活様式が提唱されている昨今ですが、森さんの近況いかがですか?ステイホームであることは変わらないようですが…。


おお!機材のある生活…。以前話していたリビングに2トン(第46回 ナチュラル逆張り男、万年筆作りの機材選定に悩みまくる)…てヤツですか(汗)

今回我が家にやってきたのは、溶接機です。オリジナルの万年筆を作るために、僕的にはマストアイテムですね。

え…溶接って、顔を鉄のお面でガードして、火花散らしてバチバチーーーってやる、あの溶接!?



え〜、でも、街の人100人に溶接のイメージ聞いたら、95人くらいは上の画像になりますよ。


え?そうなんですか?


うーん、それすらもよくわからない(苦笑)

僕が購入したのは「パルスアーク溶接機」で、アーク溶接と名前は似てますが、別物です。
音もわずかだし、火花もそんなに飛び散らない。溶接の一瞬だけ、光りますけどね。

あの鉄仮面みたいのも、被らない?

被らないです(笑)
作業風景はこんな感じですね。

思ってたんと違う…。顕微鏡みたいなのを覗くんですね。側から見たら、何かの研究室のようです。

宝飾業界の方や歯科技工士の方など、小さなものを溶接するための機材なので、顕微鏡必要ですね。これね、スパークする瞬間に連動してシャッターが降りるようになってるんですよ。とても目に優しい。

だから鉄仮面不要なんですね!

そういえば、昔工業高校時代にアーク溶接を授業でやったんですが、調子に乗って裸眼で光を見ていたら、帰宅後にものすごく目が痛くなって眼科に駆け込むという事件がおきたなぁ。若気の至りでした。

えええええ!

お医者さんに「網膜火傷やね」と言われました。あ、でも本当にこの機材はほとんど火花バチバチしないので大丈夫ですよ。
そのかわりこういうものが傍にあるので、嫁が警戒してましたけど。


ええええええ!これ家の中にあっていいものですか?


そうなんですか??

空気中にもわずかですが含まれていますし、電球の中に封入されていたりと、割と身近なものにも使われています。

このガスがないと溶接できないんですか?

パルスアーク溶接は電気を使うので、ガスがなくても溶接じたいはできます。ただ、素材が溶ける時にまわりに空気があると、酸素や窒素が溶融金属と結合して変色したり脆くしたりしちゃうんですね。

変色するってことは焦げるってことですか?

それを防ぐために、溶接の瞬間にアルゴンガスがシュ~と出るんです。アルゴンガスは「化学反応をほとんど起こさない」特性があるので、酸化や窒化を起こしにくくして、溶接箇所を美しくするんです。他にも専門的ですけど、ガスがプラズマ放電を安定させたりと色々な役割をはたしていますね。

へ〜、化学反応がおきないガスなら、危険ではなさそうですね!

確かに部屋にあると違和感すごいですけどね(笑)

奥様やお嬢さんは、何かおっしゃってますか?

ここまでくると、あまり何も言わないですね(苦笑)とりあえず嫁と娘も溶接チャレンジしてました。上手い下手問わなければ、誰でもできちゃうと思います。免許とかもいりませんし。

娘さんまで溶接を…。

夏休みの自由研究は溶接で工作だね!なんて(笑)

賛否両論ありそうですが(苦笑)

僕も手始めにネジなどで練習してます。
溶接機が搬入されたのでホムセンで買った2.4mm径のクギ(SUS410)で溶接練習。最初はひどいものでしたが徐々に上達してきました。
でも万年筆のペンポイントとかは高いのでまだやらない・・・(というか腕的にまだ当分やれない)😅#溶接 pic.twitter.com/VoTDeG3eJy
— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) June 9, 2020

おお、明らかに練習の成果がでてますね。

数をこなしていくしかないですねー。(遠い目)

いやー、なんか急速に本格化してきましたね、万年筆計画が。

まだまだ旋盤やフライス盤もやってきますよ!

森家の変貌ぶりにも注目ですね。

今日はただの溶接雑談になってしまいましたが、このへんでおひらきにしましょうか。

十分にヘンタイぶりが垣間見えましたよ。

ならいいのですが…あれ?いいのか?!

森さんのような、ちょっと(すごく)ヘンな人も常時募集しています。お気軽にお問い合わせフォームからメッセージください。

また次回お会いしましょう!

さようなら〜!
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。