「刻印」と聞くと、刃物で彫ることをイメージしますが、まったく触れることなく刻印できる、魔法のようなレーザー彫刻機がスゲイノウ人、森さんの家にやってきました。森さん、早速いろいろなものに刻印しまくっているようです。スゲイノウ人森って誰?という方や、はじめてお越しの方はこちらもご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。 万年筆を1から作り上げようというMONDO計画はこちらです。

こんにちは〜。編集のSです。


毎度マニアックな機材について語らう、スゲイノウ人らしい記事となっておりますが、今回もまた、マニアックなものにツッコミを入れたいと思います。


まあ、1本ならまだしも、あれだけ何本も出てきたら引きますわ。

で、今週は何について話しましょうか?

最近の森さんのTwitterにちょいちょい登場する、レーザービーム出てるアレ、なんですか?!
ファイバーレーザーのテストも兼ねてダイアルゲージの外装に意匠を施しました。中のプレートに刻印すると俄然ムーブメント感がでますね☺️
(校正する環境がないので分解はやめておく😅)#ツールパスが正しいかは神のみぞ知る pic.twitter.com/KvFXmAdNuB— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) June 24, 2020


いやいや、すごいシレーっと導入されてますけど?聞いてませんよ。


えええ!なんかすごそうな機械じゃないですか!教えてくださいよ。


びゃーって…なんか雑な説明ですね!

ええと、ではウィキペディアで調べますか?
単一モード光ファイバーにエルビウムやネオジム、イッテルビウムのような希土類元素を添加してレーザー媒質とし…

あ、もう、大丈夫です!

ね?び

ですね!
でも、万年筆づくりとあまり関係なくないですか?

いやいや、めちゃめちゃ関係ありますよ。
色々な用途に使えますが大きくは2つ理由があります。1つ目はニブ製作。例えば通常のメーカー品などでは板状のニブとなる素材を金型のついたパンチマシンみたのでバンバン打ち抜いたりしてますよね?

ザ・大量生産って感じですね。

あの工程を少量生産になる私の場合、金型ではなくレーザーで切り出そうと考えたからです。生産効率は悪いですが、かわりに精密な切り出しができます。

なるほど、ニブを形作る重要な任務なのですね。

2つ目はマーキングや装飾。最近は安価なレーザーマーカーが売れているのでイメージしやすいかもですが、名前や模様を入れたりシリアル番号とかを入れたりするためです。
全周が連続した刻印ができないかラミーを生贄にしてテスト。完全接続した模様を打つのは意外と難易度が高い事がわかりました・・・
でも成功したのでマイマシンが届いたらめいっぱいテスト
するぞ!
(商社さんの機械を拝借してテストしました) pic.twitter.com/2gHZkzzPuu— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) May 25, 2020

そうか、まったくの無地というのも味気ないですよね。
あれ、でもこういう機材、前からお持ちではなかったですか?

149用の押し出し台完成!
ただ磨いた木に穴をあけただけですけど!😆こんな単純な治具の有無で天と地ほど違ってしまう・・・無理して適当なものでやるとペン芯折ったりフィン曲げたりとか(自覚あり)😝
モンブラン用とわかるロゴをいれたけど意外とオシャレで満足😋#MontBlanc#meisterstuck149 pic.twitter.com/3pWAiXLYwQ
— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) January 19, 2020

対象物が木材や皮革じゃないとダメだったんですね。

それに対して、今回新たに導入した機材は「ファイバーレーザー」というもので、金属に彫刻する事ができます。薄いものでしたら切断する事もできます。そして何より大きな違いですが、産業用なのでまず精度や耐久性が良い。そして4軸制御や緻密な設定をする事ができたりします。つまり、金属メインとなるMONDOには絶対必要な機械なんです。

「ダイオードレーザー」と「ファイバーレーザー」。
同じレーザーでも種類が違うということですね。(詳細は聞いてもわからないので掘り下げないでおこう…)

他にも「CO2レーザー」「YVO4レーザー」などがあります。(あまり詳しく説明しても嫌がられそうだからやめておこう…)

それにしても…お高そうな機材ですね…。

…そうですね、大人の事情で具体的な機種名や価格はお教えできないのですが、…かなり高いです…まともなファイバーレーザーは最も安価な2軸のものですら100万円スタート、業務用の売れ筋で500万円スタートの世界ですから…

ひょえ〜、森さんの家内安全のために、聞かなかったことにします…。

…そうしましょう!(汗)
見てください!早速いろんなものに印字テストをしてみました。

早くも使いこなしてる!



レーザーは周波数や速度、素材との相性やツールパスの書き方などで反応が異なるのでMONDOの為にもたくさんテストして、ナレッジをためる必要があるんです。私のは海外メーカー製なのですが、商社の方に「今、この機種に関して日本一詳しい」と言われました(笑)

さすが、スゲイノウ人です!
あと、ちょっと気になったんですが、上の写真をよくみると「MONDO」のロゴが入っているんですね。

デザイナーである妻に依頼して何種類か案をだして頂いておりまして…レーザーのテスト用データとして絶賛活用中です。

一家総出で作られるMONDO…楽しみですね。

これから、旋盤、フライスなど、まだまだ機材がやってきますよ。

本当に、森家はどうなっちゃうんでしょうか!?

旋盤とフライスが来ると、また一気に工房っぽくなりそうですけどね。

はは…ほんと楽しみ…。(ちょっと想像つかない…)


そうですね。
今週もニッチすぎるトーク、ありがとうございました。


森さんのような、ちょっと(すごく)ヘンな人も常時募集しています。お気軽にお問い合わせフォームからメッセージください。

ではでは!

さようなら〜!
どれだけ磨くの!? カスタムヘリテイジ92製作記はこちら
スゲイノウ人、渾身の万年筆をJally’s Shopで販売中!
「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。