万年筆の仕上げ。それは聞きなれない言葉ですが、森さんの活動を見て、仕上げを依頼する方が少なからずいらっしゃいます。 森さんは依頼がくると、嬉しい反面、ちょっと複雑な心境にもなると言います。今日は仕上げに対する森さんの気持ちをクローズアップしていきましょう。スゲイノウ人森って誰?という方や、はじめてお越しの方はこちらもご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。 万年筆を1から作り上げようというMONDO計画はこちらです。

こんにちは〜。編集のSです。


いつのまにやら10月に入り、朝晩ひんやりしてきましたね〜。森さんはいかがお過ごしですか?


森さんは暑がりですからねー!


え…、旋盤ってそんなにハードなんですか?


なるほど…。


おおー、いいですね!


なんですか?!それ!

なんせ、お客様の大切な万年筆じゃないですか。仕上げを依頼するほど思い入れのある唯一無二の品だと思うんですよ。それをお預かりして何かあったらどうしよう!って毎回緊張しながら仕上げております。

限定品など、もう手に入らない物だったらなおさらですよねー。

さらっと言ってくれましたが、そういうことです。もし失敗して替わりに新しいものを…と思っても弁償もできないようだと非常に困る訳です。

いろいろと気を遣われるんですね…。

実は、先日学生さんからご依頼がありました。そこそこの工賃をいただくので、念のため親御さんにも了承を得てから進めさせていただきました。
だって、ネットでしか知らない怪しいオジサンにそんなお金払って!って自分が親御さんの立場だったら心配になっちゃいますよ。

確かに…!


どんな依頼だったんですか?

セーラーのプロフェッショナル ギア レアロと、ディプロマットのアエロを仕上げて欲しいというご依頼でした。自分が持っていない万年筆は、分解するところから手探りです。
依頼品作業中のプロフェッショナル ギア レアロ
破壊前提でしか分解できないこいつですが、実はちゃんとめっちゃ手間暇かければ傷一つつけずに完全分解できるんですよ~(^^)v
プロギアレアロの完全分解写真はレアだと思うのであげておく☺️
さて作業を続けよう!#SAILOR pic.twitter.com/QI45szuel7
— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) September 16, 2020

これは透明軸なので、森さん現在ショップで販売しているカスタムヘイテイジ92に通じるものがありますね。

なんとかかんとか、超透明仕上げ完成!
自分は軸の透明度の確認には裏からライトをあてて光を透過させる方法を目安にしてます。
今回のプロギアレアロは壁が2重なので1枚壁ほどの透明感には至らないけど、十分に透明になりました。#sailor#professionalgear#万年筆 pic.twitter.com/VoF59dJ4dL
— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) September 17, 2020

おおおー、相変わらずの美しさ!

そしてニブをダークフロストにして欲しいという渋いチョイスでした!結構ダークフロスト人気です。
仕上げ完了☺️
依頼者の方は私史上最年少の女子高生!
いやびっくりです…万年筆好きの高校生って時点でレアな感じですが、まして女性…スーパーレアな感じですよね。透明度高めのプロギアレアロ(趣味文オリジナル)
満足して頂けるといいのですが…😅#Sailor#professionalgear pic.twitter.com/NTWAJPztMX— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) September 17, 2020

渋い黒と赤の対比がいいですね!

そして、もう1本のディプロマットのアエロはニブをホワイトフロストに。
鮮やかなブルーのボディにWhiteFrostが涼し気
(自分用にも欲しい)#DIPLOMAT#万年筆 pic.twitter.com/dfX29GaLRw— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) September 18, 2020

私は個人的にはホワイトフロストの方が好みですよ〜。
しかし、ディプロマットというメーカーを初めて聞きました!知らない万年筆メーカーまだまだあるなぁ。

この仕事をやってると、自分の持ってない万年筆もたくさん触れるというのは大きなメリットかな。これ以上コレクション増やすと怒られるし!!

趣味と仕事の境界線が曖昧なゆえの悩みですね。

そう「ほら、これは研究のための資料なんだよ!」と言いたい。

うーん、なかなか厳しいかと(汗)

では、最後に、リーズナブルな万年筆でも仕上げをすると愛着が増すよ〜というTweetです。透明軸の超ピカピカ仕上げは、かなり時間がかかるのですが、ニブのカスタマイズだけだと比較的安心して作業できます。
依頼品のニブが仕上がりました~
シュミットのニブは万年筆マニアからすると
安価というイメージを持たれがちですが、その感覚はきっと「普通の方」とはズレていて、結局価格でもグレードでもなく、自分が好きな万年筆こそ最高の万年筆なんですよね~!☺️#仕上げ#万年筆 pic.twitter.com/AB2FcRGbzf— 森慎吾@万年筆仕上げ人 (@Tech2501) September 25, 2020

やっぱりホワイトフロストは良いですね〜。

なんかヤラセみたいなのでやめてください(苦笑)

わかりました。超レアものの透明軸のご依頼がきちゃったら大変ですからね。

ほんとソレですよ。

今回はこんな森さんの葛藤を記事にさせていただきました。


いえいえ、森さんの仕上げの素晴らしさを再認識いたしました。


用意周到ですね!


では、今日はこのへんでお開きにしましょうか。


森さんのような、ちょっと(すごく)ヘンな人も常時募集しています。お気軽にお問い合わせフォームからメッセージください。

ではでは!

さようなら〜!
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。