「金床」(カナドコ)と聞いて、どんなカタチを思い浮かべますか? あまり馴染みがないアイテムなので、ピンとこない方も多いと思います。金床自体はさほど大きなものではありませんが、金床を固定する台座を含めると結構な存在感。森家のリビングは大丈夫でしょうか…。 前回のVol.1の記事はコチラ。 スゲイノウ人森って誰?という方や、はじめてお越しの方はこちらもご覧ください↓ 【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回 SEと万年筆との出会い 森さん仕上げのカスタムヘイテイジ92はこちらです。 万年筆を1から作り上げようというMONDO計画はこちらです。

皆さんこんにちは!久々に登場のSでございます。梅雨まっさかりですが、いかがお過ごしですか?

うわっ、ほんと久々にSさんだ!

「うわっ」てことないでしょう。少しはチヤホヤしてくださいね〜。
そして、こんな時代ですので、今回もリモートでインタビューしていきますよ〜。

(なんか、このテンション懐かしいなぁ)
で、今回のお題は?

お題は?じゃないですよ、なんですか、その森さんの背景に映る「木」?ですか?気になってしょうがないです。

ええ、まあ、木、ですね。

なんか、切り株?しかも上に何か乗っかってますね?(そしてワンコが気になりすぎる!)

この部分は金床ですね。

あ〜、カナドコ!な〜んだ〜、、、じゃない!
カナドコって金床?ってことですか?

そうそう。鍛金には必需品です。

鍛金には必要かもしれませんけど…これ、万年筆づくりにも必要なんですか?

何言っちゃってるんですか、必要に決まってますよ。
といっても、直接的な万年筆の部品製作というよりもその部品のための素材製作に必要となる道具ですね。

素材を作るための道具か。あの、こういうイメージでいいですか?

まあ、間違いではないですね。

上部の鉄の部分で叩くんだろうな〜とは思うんですが、土台?の切り株の部分って、切り株の必要性あります?

これは乾燥させた欅材なんですが、土台にする事で金槌で叩いた際、衝突による過度な衝撃を適度に逃がす事で効率よく力を加えつつも反発を和らげてくれます。
車で言うサスペンションみたいなものでしょうか。(手への衝撃も少し緩和されます)

確かに、木の柔らかさである程度の衝撃が吸収されそうなイメージ!

また、木なので別の穴を掘ったりすれば異なる金床を同時に使えたりするようになるんです。そして欅材は硬く頑丈でとても耐久性に優れた素材なので金床にとても適しているんですよ。

結構フレキシブルに使えるんですね!
それにしても、こんなのどこで売ってるんですか?ネットショップで売ってるの見たことないですよ。

土台となる欅材も金床もなかなか入手がしづらかったんですよ。
2年位くらいずっとお願いし続けてと思います。

え、2年待ち?!

というのもまず木台も自然の物なので欲しいからといって「はいどうぞー」とはならない(笑)金床にそれなりに適した欅材である事が必要ですし、しかも「付喪神が宿るような」という私の理想の為にもできれば御神木を利用したかったので致命的でした(笑)

御神木はレアすぎますわ…。

そして幸いにも境内の修繕工事などで敷地内の一部樹林を伐採する事になった神社さんからそのうちの一片をお譲って頂ける事になりました。
金床部分は純粋に職人さんがもう数人程しかいらっしゃらないので順番待ちですね!

金床もレアだったーーー!そりゃあ、2年待ちなの納得です。
しかし、そんなレアアイテム×レアアイテム…やっぱりお高いんでしょう?(いつも聞いちゃうな)

金床じたいはサイズにもよりますが5千円~2万円くらいの範囲ですね。
木台じたいはほんとうにピンキリだと思います。僕と同じサイズの欅材くらいでしたら一般的には3万~5万円くらいあれば良いと思いますが、神木材など特殊な条件だとなんとも・・・

う〜ん、なんか高いんだけど、思ってたより安い?という不思議な感覚。相場観がわからなさすぎます。

むしろ、配送費が高そうです。(コミコミでしたけど)宅配便などではなく、家具設置サービス的な感じでした。

ちょっとした家具としてのボリュームがありますね、確かに(笑)
あとですね、心配なのが「音」です。カキーン!カキーン!って響きそうですが…。

ん~実はまだ来たばっかで使ってないのですが、試した所そこそこうるさいと思います(苦笑)
うちって閑静な住宅街ではなく、トラックが多い産業道路沿い、かつ”準工業地域指定”にある為か、防音がそこそこしっかりめなんですよね。そのおかげで、旋盤やフライスでご近所さんから何か言われた事はないのですが、金床作業は流石にちょっと不安ですね・・・。
もしかしたら金床作業だけは外でやるかも・・・。

外でやるとむしろ逆にうるさい説も懸念されますが…夏場とか、窓開いてると特にね。

う〜ん、まあそんなに頻繁に使うものではないし…きっと大丈夫!

森さんの楽観ポイントが謎です。

まだ本番用の地金(叩かれる材料)が完成形に至ってないのでなんともですが・・・
ただ私は万年筆に使用するある非常に小さなパーツ製作の為なので時間は比較的少ないと思ってます。
まあ、それでも1日以上は叩く事にはなるだろうなと覚悟してますw

え?1日以上?

ぶっ通しではないですよ。

ぶっ通しではないにしても…なんか…筋トレになりそうですね。

痩せちゃうかも!

利き腕ばっかりムキムキになりそうですね!

痩せるかどうかは置いておいて、とりあえず、使ってみてからまた報告します。

ですね!

今日は金床の説明だけで終わっちゃったな。
でも、全国の金床が欲しい人の参考になれば嬉しいです!

めちゃくちゃニッチな需要に応えている記事になったので、良いかなと思いますよ!

ニッチじゃないと、僕らしくないですからね。

次回もぜひ、ニッチな話題お願いします。

あ、最近暑くなってきたのでちょっと活動限界が…

活動限界早っ!なんとかクーラーつけてトンテンカンしてください。
それでは皆さんまた次回お会いしましょう。最後までお読みいだだき、ありがとうございました。

さようなら~
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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール
1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。