【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア】第7回 スゲイノウ人の野望

【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア】である森さんとの対談、第7回。
究極の仕上げを追求した『カスタムヘリテイジ 92』の販売も始まり、スゲイノウ人としていよいよ本格始動。
そんな森さん、徹底的な磨きや、加工を施していくうちに、さらなる野望がドンドン湧いてくる日々だとか。
そこで今回は、スゲイノウ人・森さんの万年筆にまつわる野望を語っていただきましょう!

「スゲイノウ人・森さんってどんな人?」という方はこちらの記事からどうぞ
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア 】第1回  SEと万年筆との出会い
編集さん
編集S

手書きよりタイピングした方が早い!派の編集Sです。

ペーパーレスにしたいけど、万年筆で書くのは好き!派の森です。
編集さん
編集S

いよいよ森さんカスタムの万年筆販売も始まり、いろいろ忙しくなってきたんじゃないですか?

値段が値段なので、ポンっと買えるものではないですが、注文してくれる方も少数ながらいらっしゃるので、本当にありがたく感じています。
編集さん
編集S

あれだけ手間暇かかってますから、買う人にとっては納得のお値段ではないでしょうか?

そう思っていただければ、幸いです!
編集さん
編集S

ちょっと気は早いですが、次回作というか、これからやってみたいこと、みたいなことはありますか?

気が早いですね〜。まあ、チャレンジしてみたいことはたくさんありますねどね。
編集さん
編集S

お、そのへん聞きたいです!

メッキの種類をいろいろ試したり、手順を研究したり、山ほど課題はあるんですが、これらは全部現在やっていることの延長線上の試みです。でも、全く新たな取り組みとしてやってみたいのは、オリジナルのニブを作ることなんです。
編集さん
編集S

オリジナルのニブ??ニブって自分で作れちゃうもんなんですか!?

まあ、かなり難しいことは確かなんですが、問題をひとつひとつ解決していけば、決して不可能ではないと思っています。実は、完全にオリジナルのニブを作ってる所って、ほとんどありません。刻印だけオリジナルで実は有名メーカーのOEM製品というのは割とありますが。
編集さん
編集S

さすがスゲイノウ人!ヘンタイ的なこだわりがすごい!

ついでに言えば、ボディを作っていて「オリジナル万年筆」として販売している例もあります。でもそれも、ニブの部分はドイツのシュミット社が提供しているニブだったりするんです。先日嫁が購入した伊東屋オリジナル万年筆のマイティーも、ニブにはしっかりシュミット社の刻印がありましたよ。
編集さん
編集S

ええ、そうなんですか?伊東屋オリジナルって言ったら、全部オリジナルかと思ってしまいますね。

乗り物で例えるなら、外装はオリジナルで作るけど、中身はHONDA製とか、よくありますよね。万年筆のペン先は、車でいうならエンジンです。僕はボディではなく、最終的にはエンジンを作りたいんです!技術力の必要なエンジンの方を作れるようになれば、あとはなんとかなるんじゃないかなって。
編集さん
編集S

森さん…なんかカッコイイです!

いやいや、その褒め言葉はこの目標が達成できてから、もう一回言ってください。
編集さん
編集S

もちろんですとも!とはいえ、ニブの製造って、一体どこから始めたらいいんですかね?

まあ、通常はもちろん工場のラインで大量生産される工程しかないので、個人的に作るとなると、作り方がちょっと変わってくると思います。
編集さん
編集S

なんだかんだ、だいたい作り方がわかっているところがすごいですね。

いや、まだまだ勉強が必要ですが…超簡単に説明すると、薄く伸ばされた金属をニブの形に金型で抜き、刻印を施します。Rをつけて、ペン先にペンポイントを溶着。最後に切り欠き(割れ目)を入れて形にします。ちょっと言葉だとわからないですよね。プラチナ万年筆さんによる、わかりやすい動画があったのでリンクしておきますね!

編集さん
編集S

こういう工場系の動画好きです。

まず貴金属をうすーく圧延した板が必要なんですが、ニブ作りに適した既製品が見つからなかった場合、作る必要があります。
編集さん
編集S

薄い貴金属の板?、、そもそも貴金属ってどういうお店で手に入るんでしょう?

地金となる貴金属ですが、彫金をする人が利用する業者さんですね。
編集さん
編集S

あの、いまさらなんですが、チョーキンっていうと…

読んで字のごとく、金を彫るということですね。ジュエリー作家さんなどは彫金師にあたりますね。
編集さん
編集S

ああ、金を彫るの『彫金』ですね。

素材が入手できたら、次は金型で抜きます。金型を作るには、図面を起こさないといけませんよね。
編集さん
編集S

またまた基本的なところですが、ニブの大きさって決まってるんですか?

各社で独自の規格がありますね。PILOTでいえば、3号・5号・10号・15号などのように。
編集さん
編集S

ちなみにどの大きさで作るとか、希望はありますか?

希望と言うより、まずはカスタムヘリテイジ92につけられるように作りたいので、5号ということになりますね。万年筆の中では小さ目です(苦笑)
編集さん
編集S

大きい数字の方がサイズも大きいんですね。そして大きい方が少しお高いんでしたね。

使う貴金属の量が若干多くなりますからね。
編集さん
編集S

うーん、まだ型抜きのところまでしかきていませんが、このあとは刻印ですか?

自分の名前とか入れちゃうことを考えたら、ワクワクが止まらないです!
編集さん
編集S

かなり重要なポイントですね!デザインしがいがありそう。

ポイントといえば、次のペンポイントの溶着も重要な作業です。ペン先に「イリドスミン球」という丸い小さな玉をくっつけて作ります。
イリドスミン球
町工場さんで見せてもらったイリドスミン合金
編集さん
編集S

いりどすみんきゅう???

イリジウムとオスミウムの合金でできた球体です。金ペンのペンポイントは、ほとんどこのイリドスミン球が使われています。イリジウム、オスミウムともに非常に硬い物質のため、耐久性が必要とされるペン先の素材として選ばれているんでしょうね。ただ、どちらもレアメタルですし、製造には技術力が必要なため、世界でもドイツのヘレウス社と日本のパイロットの2社しか作っていません。
編集さん
編集S

おお!パイロットすごい!というか、そんな世界で2社という技術ですよ、森さんいけますか??

ここがニブ作りの最難関と思っています。いろいろ手を尽くすつもりですよ。そして、この後工程の溶着作業も結構大変です。
編集さん
編集S

ペンポイントなんて、1mmくらいじゃないですか?かなり緻密な作業ですよね?

そうですね、それもそうですが、そもそもペンポイントを溶着する機械が売られている訳ではありませんから、その製造からどうするか考えなくてはなりません。
編集さん
編集S

えー、そこからかー!もう、何もしてない私がくじけそうです…

まあでも、ここさえクリアできれば、ニブ制作についての山は越えたと思っていいですよ!
編集さん
編集S

なるほど、最後に割れ目?切り欠きというんですか?を入れるんですよね?

ええ、そのあともたくさんのペン先の調整が必要かと思いますが。ここからは割と自信あります。
編集さん
編集S

いやあ、めちゃくちゃ大変そうですね!

でもワクワクしませんか?自分の刻印が入ったニブ。イリドスミン球からなんてなんて誰もやってないですし、しかも趣味で。
編集さん
編集S

メイドイン森ですね。

なんかその響はダサいですね(苦笑)
編集さん
編集S

そんなことはないですよ!いつかメイドイン森が見られる日を楽しみにしてますよ〜。

いやあ、すごいプレッシャーだなあ。いいプレッシャーでもあるけど。あ!まだペン芯の事語ってない!
編集さん
編集S

とりあえず今回はもう大丈夫です!焦らず頑張ってください!陰ながら応援しております。
それでは、まだまだいくらでも語っていただけそうですが、今回はこのへんでお開きとさせていただきます!お付き合いありがとうございました。

また来週お会いしましょう!

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「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さんのプロフィール

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

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