「カスタムヘリテイジ92」製作記 vol.1 こだわりのツール(道具)編

製作記サムネイル

~新品を超える究極の仕上げへの道~

森慎吾さんの本業はシステムエンジニア。
趣味で万年筆を愛し、その愛は変態レベルにまで成長。
好きすぎて自ら万年筆のパーツをカスタマイズするスゲイノウ人です。

森さんの万年筆への偏愛ぶりについては、スゲイノウ人記事も合わせてご覧ください。
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア】第1回 SEと万年筆との出会い
【万年筆が好きすぎるシステムエンジニア】第2回 万年筆カスタマイズの世界
その他の記事はこちらから
森さん
自称「万年筆仕上げ人」の森 慎吾さん

森さんが挑戦しているのは、既製品の万年筆に手を加え、究極までに美しく仕上げるということ。
大量生産ゆえに行き届かない細かな部分を、徹底的に磨き上げていきます。

今回森さんがJally’s Shop用に製作するのはPILOTの「カスタムヘイテイジ92」という万年筆。
カスタムヘリテイジ92
「カスタムヘイテイジ92」はスケルトンボディのシンプルなデザインの万年筆。定価15,000円(税抜)という比較的安価でありながら、ペン先は14Kを使い、柔らかい書き心地を実現する本格的な万年筆です。

実はこの「カスタムヘイテイジ92」、森さんがカスタムにハマるきっかけになったとも言える、思い入れの強い一本ということで、今回チョイスさせていただきました。
カスタムヘリテイジ92_2

透明軸ゆえにちょっとした汚れが気になって、自分でクリーニングし始めました。
そんな作業を続けているうちに、追加購入した新品であっても「美しくない」と感じる様になってしまい、今にいたるという感じです。(笑)

道具がなくては始まらない〜道具のこだわりポイント〜

最高のマイクログラインダー

リューター
愛用のマイクログラインダー「E-FORCE」

先端のパーツを付け替えることによって削る・磨くなど様々な用途に使うことができるマイクログラインダーは、究極仕上げの万年筆作りには絶対に欠かせない存在。

重要なところなので、妥協のないチョイスをした結果、森さんが愛用しているのは、永興電気工業株式会社のマイクログラインダー「E-FORCE」セラミックベアリングを使用していたり、使い勝手、精度、静音性など、どれをとっても非常にレベルが高い。

マイクログラインダーを使う

質感も良く、モーターのデザインもカッコいい!
あまり流通していないが極めて優れたマイクログラインダーだと思う

複数の研磨材と先端工具

研磨材
マイクログラインダー「E-FORCE」と高級研磨材「LUXOR」

マイクログラインダーと並び、究極の仕上げに欠かせない研磨材先端工具
先端工具は、万年筆仕上げのために30以上のパーツを揃え、使い分ける。
研磨材も何種類もあり、工程や素材に合わせて適切な研磨材を選ぶ。

先端工具
カラフルな先端工具
  • 独EVE Ernst Vetter社のシリコンポリッシュ(歯科でも使われている)
  • 仏MERARD社(メラード)の高級研磨材LUXOR(ルクソール)
  • 小野島製のマンドレール(自分で検証して選んだ。小野島製は精度が違った)
  • バフはシーフォースの豆バフシリーズ
  • 仕上げはイギリスMETORO社の鹿革の先端工具

気分があがる

実用性もさることながら、オシャレさで選ぶときもあります。
だって、オシャレな方が、使っていて気分がアガるじゃないですか!

特注の仕上げ研磨材

手磨きで使う各研磨材は研磨専門の町工場さんに調合していただいた。(会社名を出すのは残念ながらNGでした)

メッキ装置

メッキ装置
左:メッキ装置 右:焼成機

ピカピカに磨きあげられたパーツをコーティングするメッキ作業。
かつては外注したこともあったが、あまり満足のいく仕上がりではなかったので、自分でメッキまでするようになったという森さん。

なかなか個人的にメッキ装置を購入する人がいないため、選定も非常に苦労する。
レビューなどの情報もほとんどなく、思い切ってメッキ装置の製造元である「花山産業」へ直接質問しに行くと、とても親切に対応してくれた。さらに森さんの要望を叶える形で製品をカスタムまでしてくれて、無事購入に至ったそうです。
森さんの熱意に応えるように、テストにも快く付き合ってくださる花山産業さん。これからも良きパートナーとして万年筆作りを支えてくれそうですね!

メッキ液と森さん

メッキ液って結構高いんですよ。このブラックロジウムなんて、ウン万円しますよ!

手作りの治具

手作り治具

万年筆のカスタマイズに使う様々なパーツは、既製品ではまかないきれないこともしばしば。
快適にカスタム作業を行うため、治具まで自分で工夫して製作。お見事です!

次回のベースメイク(下地作り)編に続きます。


カスタムの模様を動画でも公開中!ぜひご覧ください。

「万年筆が好きすぎるシステムエンジニア」森 慎吾さん

 

1981年生まれ。高校卒業→印刷会社→専門学校(音響芸術科)→テレビ局で編集マン→SE→フリーランスのSE→スゲイノウ人(イマココ!)。とにかくずっと激務に追われる日々からフリーランスへ転身し、忙しいながら趣味にあてられる時間も増え、万年筆カスタマイズに没頭の日々。

スゲイノウ人のこだわりの逸品を販売します

ショップの看板
Jally’sでは、スゲイノウ人たちが作り上げた究極の逸品を販売する、Jally’s Shopを運営中。ぜひお立ち寄りください。
Jally’s Shopはこちら